〜「普通」という呪縛を手放すと見えるもの〜


はじめに:「ひきこもり=悪い」と決めつけていませんか?

もしあなたの子どもがひきこもっていたら、
「なんとか外に出さなきゃ」「このままではダメだ」と思っていませんか?

その気持ちは自然です。親として、心配するのは当然のこと。
でも——その“焦り”や“正しさ”が、
知らず知らずのうちに、子どもを追い詰めていることもあるんです。


「ひきこもっている状態」をどう思っていますか?

まず考えてみてほしいのは、
あなたが「ひきこもり」という状態をどう捉えているか、ということ。

あなたが「悪いこと」「早く直すべきこと」と思っていれば、
その考え方は言葉や態度ににじみ出ます。

  • 「早く働かないと」
  • 「みんな頑張ってるのに」
  • 「いつまでこのままなの?」

そんな言葉は、子どもに“責められている”と感じさせる原因になります。


本当に「改善」しなければいけないの?

「ひきこもり」は“悪”ではありません。
それは、心が守りに入っているサインなんです。

無理に外へ出すよりも、
「なぜ今は動けないのか」「何に疲れてしまったのか」
その背景を理解するほうがずっと大切。

そして、就職がゴールでも解決でもないことを忘れないでください。
働くことが子どもの幸せとは限りません。


「普通」ではなく、「うちの子にとっての幸せ」を考える

「普通はこう」「みんなこうしてる」
——この考え方をいったん脇に置いてみましょう。

あなたの子どもにとって、
いま必要なのは**“回復のための時間”**かもしれません。

“止まっているように見える時間”も、
心がエネルギーを取り戻す大事なプロセスです。


口と腹の中を一致させよう

親の本音は、どんなに隠しても子どもに伝わります。
「大丈夫」と言いながら、心の中で「本当は早く動いてほしい」と思っていたら、
その違和感は確実に伝わります。

あなたが本当に子どもの幸せを願うなら、
「何が幸せなのか」を一度立ち止まって考えてみてください。

その気づきが、子どもの心に届く**“本物の安心感”**になります。


まとめ:「悪い」のではなく、「必要な時間」

ひきこもりは「悪いこと」ではなく、
子どもが生き延びるために必要な時間を過ごしている状態。

焦らず、責めず、
「この時間をどう過ごすか」を一緒に考えることが、
親子の信頼を取り戻す第一歩です。

あなたの「見方」が変われば、子どもの「未来」も変わります。