私が「今のままでもできる仕事」が社会復帰のキッカケになると伝えると
よく聞かれるのが
「ひきこもりは、働く気があるの?」という質問
その答えは
「あります」です。
働きたくないと口にする人もいます。
それでも、働く気はあるんです。
では、なぜ働かないのでしょうか?
答えは単純です。
失敗経験や未知のことに対する不安や恐怖心が強いからです。
さらには、働きたい気持ちが強すぎて
気負いすぎて疲れてしまうからです。
実際に、私の息子(弟)もそうでした。
ポスティングの仕事を始めようという朝、
起きられなくなっていました。
仕事を頑張りたい、
現状から抜け出したい
その思いが強すぎて、前夜眠れず体調を崩してしまったらしい。
これは、息子だけでなく
他のひきこもりの人からもよく聞く話です。
働きたい気持ちがありすぎて、
働けなくなっているのです。
失敗を繰り返していくと
チャレンジする意欲も失せていきます。
そして、
「働きたくない」「このままでいい」
ということを言い出します。
けれど、この言葉に騙されてはいけません。
本当は働きたいけれど、
どうせうまくいかないから。
だったら、もう働けることを望まない・・・
と思っているのです。
アウトリーチでは、親御さんに
「喜びすぎないでください」
と伝えています。
それはなぜか?
「仕事をしたい」と言うと
親は喜んで、仕事先を探す
↓
こんなに親が喜ぶなら
絶対に頑張らなきゃ
↓
プレッシャーでつぶれる
というように、裏目に出てしまいます。
すると、親御さんは
口先ばかりで、
ホントに仕事をする気があるの?
と思ってしまう。
彼らの仕事をしたいという気持ちは
理解されないのです。
まあ、そもそも
仕事をしたくないのなら
現状は望んだ状態な筈
であれば、今を楽しんでいる。
楽しんでいるように見えないのであれば
現状は望まない状態ということなのです。
彼らは
「仕事をしたいのではないか?」
という視点で見れば
気づける簡単なこと。
そして、働きたいのに働けないのは
なぜなんだろう?
という思考に至り
親や支援者は何をしたらいいのか?が変わっていく。
私たちアウトリーチは
「彼らは仕事をしたい」
という視点で
様々なアプローチをしています。
だから、本人からの問い合わせが
全体の6割を超える類を見ない団体なんです。
(多くのひきこもり支援窓口では、本人からの問い合わせは1〜2割)