私たちアウトリーチのメニューには本人向けのカウンセリングはありません。

仕事に関する相談というメニューにしていますが、

いわゆるカウンセリングはしません。

と言うと、驚かれます。

まあ、そうでしょう。

でも、やらないと決めています。

その理由は2つ

①カウンセリングが必要な人は、他の事業所や専門家にお任せしたい。

②本人のニーズ

それぞれ説明をしていきます。

多くのひきこもり支援事業には、

カウンセリングが必須のようにあります。

簡単に説明すると、だから入れていないんです。

カウンセリングを受けたい人は、他の支援機関や個人のカウンセラー、

医療機関のカウンセリングなど、利用していただきたいと考えています。

カウンセリングで、自分を見つめなにかを得られると思いますので、ぜひ専門機関をご利用ください。

②本人のニーズ

設立前に実施したモニターさんのひと言です。

「仕事につながることが知りたい、カウンセリングはいらない」

とのこと。

その言葉にハッとしました。

カウンセリングを受けなければ

仕事の情報が得られない。

そんな構図になっていないか?

カウンセリングは、支援者の満足になっていないか?

支援者側が、そうではないと思っていても

受ける側が、そう思っているなら提供するべきではない。

と考えました。

もちろん、カウンセリングをメニューに入れている就労支援もあるので、そこは否定しません。

人員も豊富で羨ましい限りです。

私たち、アウトリーチは人員も資金も超小規模です。

その私たちが、あれもこれも手を出してはうまくいきません。

「今のままでのできる仕事」に集中するべきなんです。

そう、「今のままでもできる仕事」です。

カウンセリングを受ける必要もありません。

コンディションが悪い時には休み、ストレスのかからない働き方

これが、社会復帰へのハードルを下げます。

ある利用者がお仕事相談の時に

自分の病気のこと、家族のことなどを話し始めました。

いつまで続くのかなと思って

「その話は仕事をする上で、関係あることなの?」

と聞くと、

「こういうことを話さないと、いけないのかと思って」

やはり、利用する側に、

「カウンセリングを受けなければ仕事の情報が得られないという常識」

があるのを感じました。

私自身もカウンセリングを受けたことがありますが

そこに妙な上下関係を感じました。

また支援者という名称にも抵抗があります。

この言葉が上下関係や隔たりを作ります。

ひきこもる彼らは常に下に見られています。

(下に見られていると思っています)

その彼らから信頼を得るためには、

上下関係になるようなものは、

なくしたい。

なくさなきゃいけない。

こんな理由から私たちアウトリーチでは

カウンセリングをしないのです。