【過干渉というブレーキ】「わが子を自立させたい」と言いながら、5歳児向けの声をかけ続けるお母さんの大矛盾

レモンの種の育成に学ぶ自発性の育て方。「言われなきゃ動かない」は親が作った依存の檻

「自立させたいのに……」 面談室でお母さんたちは一様にそう嘆きます。「早く一人前の大人になって、自分の足で生きていってほしい」と。

だけどお母さん、よく胸に手を当てて、今日一日お子さんにかけた言葉を思い出してみてください。 「今日は大学行くの?」 「就職のこと、ちゃんと考えてる?」 「そろそろ起きないと遅刻するよ?」

これ、5歳か6歳の幼稚園児にかけている言葉と、一体何が違うのでしょうか? 相手は20歳を過ぎた、立派な体格の大人の男性(あるいは女性)ですよ。

2016年に設立され、1,000人以上のひきこもり家族を救い、行政や学校からも絶賛されている当センターから、耳が痛いけれど核心を突いたメッセージを送ります。 お母さんがその「5歳児向けの指示・確認」を辞めない限り、お子さんの自立のスイッチは一生ONになりません。

■ レモンの種を「誰かに命令されて」育てたいと思いますか?

またまた私の趣味のお話をさせてください。今、自宅のベランダで「レモン」を種から育てています。

これ、私が「自分でレモンを種から育ててみたい!」と心から思ったからこそ、ネットで土の配合を調べ、毎日試行錯誤しながら、芽が出たときに大喜びして、愛着を持って育てているんです。 だけどもし、誰かから「はい、このレモンの種、毎日朝8時に水をやって、何センチ伸びたか俺に報告して育てておいてね」と業務命令のように渡されたらどうでしょう? 「は?なんで私がそんな面倒くさいことやらなきゃいけないの?」って、一気にやる気が失せますよね。

■ 専門解説:心理的リアクタンス(反発のメカニズム)

心理学では、人間は他人から行動を強制されたり、指示されたりすると、自分の自由を守るために無意識に反発・拒絶する脳の働きを「心理的リアクタンス」と呼びます。

子どもの大学も、就職活動も、これと全く同じです。 本人の人生の種(進路)なのに、お母さんから「やりなさい」「どうなってるの?」と言われるから、子どもは心理的リアクタンスによって「絶対にやりたくない!(部屋へのひきこもり)」という強力なブレーキを踏むのです。

お母さんに「なんでそんなこと言うの?」と聞くと、100人中100人がこう答えます。「だって、私が言わなきゃこの子は動かないから!」と。

違います。逆です。 お母さんが先回りして言うから、子どもは自分でやる必要がなくなり、脳の自発性が退化している(学習性無力感)のです。

■ まとめ:間違える権利、失敗する権利を子どもに返す

自立させたいなら、今日からお母さんの「お口をチャック(完全沈黙)」してください。

言わないでいれば、子どもは最初はだらだらします。だけど、数ヶ月経って「あ、本当に誰も何も言ってくれない。自分の人生、このままだとガチで詰むな」と必要性を痛感したとき、初めて自分でスマホを開いて就活サイトを調べたり、大学の単位を計算し始めます。

当然、最初は間違った選択をすることもあります。ブラック企業の面接を受けてしまったり、単位の計算を間違えて留年したり。 だけど、間違ってもいいじゃないですか! そこから「あ、このやり方じゃダメなんだ」「次はこうやって軌道修正しよう」と工夫するプロセスこそが、本物の「大人の生きる力(自立)」なのです。

お母さん、今日からわが子を「5歳児」扱いするのをやめ、一人の大人として黙って見守る覚悟を持ちましょう。

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