「中学・高校と不登校気味だったけれど、本人が『大学には行きたい』と言うから頑張って進学させた。それなのに、また大学に行けなくなってしまった……」 このようなご相談を、本当に多くいただきます。 お母さんは「せっかく入ったのに、どうして」「今度こそは大丈夫だと思ったのに」と涙を流されます。
ここで、マーケティング的かつ客観的な視点から、厳しい現実をお話しさせてください。 お母さん、これまでに何度も同じパターンを繰り返してきませんでしたか? 「環境が変われば、この子も変わるかもしれない」という無謀な望みを、子どもの実力以上のハードルとして託してはいなかったでしょうか。
1. 学校という「組織」に適応する難しさを忘れていませんか?
通信制高校などで自分のペースで学ぶことはできても、大学という「毎日決まった時間に広いキャンパスへ行き、大勢の人がいる組織の中で自律的に行動する」という環境は、想像以上にエネルギーを消費します。 何の根拠もなく「大学生になれば通えるようになる」ということは、まずあり得ません。
これまでの不登校は、本人の心と体が「今はその集団の中にいられない」というサインを出していたのです。 大学に入ったからといって、子どもの体力や心のキャパシティが突然2倍や3倍に跳ね上がるわけではありません。 お母さんが「通えるはず」と期待をかけること自体が、子どもにとっては見えない猛烈なプレッシャーとなり、再び動けなくなる原因を作ってしまいます。
2. 不登校からの大学生活を支える「2つの心得」
もし、子どもを追い詰めずに、最終的に大学を卒業させたい、あるいは社会へ繋げたいと思うのであれば、お母さんは今すぐ次の2つの心得を胸に刻んでください。
心得①:4年で卒業できなくていい(最長何年いられるか計算しておく)
「4年で周りと同じようにストレートで卒業しなきゃ」と思うから、1日休んだだけで親子ともに絶望してしまうのです。 大学は幸いなことに、留年や休学を含めて最長8年ほど在籍できる場所が多くあります。 大切なのは、周りのスピードに合わせることではなく、「我が家の経済状況的に、最長何年までなら学費を払い続けられるか」をあらかじめ冷徹に計算しておくことです。 「うちは6年までは面倒見られるから、2回留年しても大丈夫だよ」と親が割り切っていれば、心のゆとりが生まれ、子どもの焦りも消えていきます。
心得②:まず体力!筋肉量がメンタルに直結している
不登校の期間が長かった子は、圧倒的に「筋力」と「体力」が落ちています。 通学の電車に揺られ、キャンパス内を歩くだけで、普通の人の何倍も疲弊してしまうのです。 エネルギー切れを起こせば、心は自然とネガティブになり、うつ状態のようになって動けなくなります。 これまでも何度もお伝えしてきましたが、メンタルを支えるのは「筋肉と体力」です。 まずは家の中でストレッチをする、散歩をする、しっかりとご飯を食べて体力をつける。 通学だけでヘロヘロになる体力では、大学の講義を乗り切れるわけがありません。
3. 期待を捨てることが、子どもの個性を守る第一歩
子どもに「普通の大学生」を期待するのをやめましょう。 4年での卒業というこだわりを捨てることは、決して諦めではありません。 子どもの現実の足腰(体力・精神力)に合わせた、最も確実なルートを再構築するための「賢い戦略」なのです。 焦らず、まずは一歩一歩、心と体の土台を整えることから始めていきましょう。

大学生活での行き詰まり、不登校・中退に悩む学生のためのサポート
大学生の不登校や行き渋りには、独自の専門的なアプローチが必要です。 NPO法人社会復帰支援アウトリーチでは、大学不登校に特化した支援プログラム「レコペン」を提供しています。 また、大学向けの企業研修や親御さん向けの個別相談も実施しています。
「何を聞いても無視、部屋から返事もない」それは子どもが心を閉ざしているのではなく、親の“詰問”に怯えているサインです。
