― 「何かしてあげなきゃ」と思う親ほど知ってほしい話 ―
子どもが長くひきこもっていると、
親の心には、いつも同じ問いが浮かびます。
「このままでいいわけがない」
「何かしてあげなければ」
「親の自分が動かなければ、この子は動かないのでは」
それは、
親としてとても自然な感情です。
責任感があるからこそ、
愛情があるからこそ、
黙って見ていることがつらくなる。
けれど、大人のひきこもり支援において、
この「何かしなければ」という気持ちが、
親自身を苦しめ、
結果として関係を硬くしてしまうことがあります。
■ 親が一番苦しくなる瞬間
親が苦しくなるのは、
子どもが怒っているときでも、
拒絶しているときでもありません。
一番つらいのは、
何も反応がないときです。
話しかけても返事がない。
変化も見えない。
時間だけが過ぎていく。
その沈黙の中で、
親は自分を責め始めます。
「育て方が悪かったのでは」
「もっと早く手を打つべきだったのでは」
「放っておくのは無責任なのでは」
でも、その問いの多くは、
現実を動かすためというより、
親自身の不安をどうにかしたい
という気持ちから生まれていることも少なくありません。
■ 「動かそうとすること」が関係を重くすることもある
親は、子どもよりも人生経験があり、
社会の仕組みも知っています。
だからこそ、
「こうした方がいい」
「この選択は危ない」
「今は動くべきだ」
という考えが浮かぶのは当然です。
けれど、大人のひきこもり状態にある本人にとっては、
その言葉が
評価や期待、プレッシャー
として届いてしまうことがあります。
すると本人は、
守るために距離を取ります。
部屋にこもる。
会話を避ける。
感情を閉じる。
これは反抗ではありません。
関係が壊れないようにするための行動
であることが多いのです。
■ 手放すとは「何もしない」ことではない
ここで言う「手放す」とは、
放置することでも、
諦めることでもありません。
手放すとは、
先回りして答えを出す役割を降りることです。
親が答えを握っている限り、
子どもは考える必要がなくなります。
逆に言えば、
親が答えを手放したとき、
初めて
「自分ならどうするか」
という問いが、本人の中に残ります。
これはとても勇気のいる選択です。
なぜなら、
すぐに結果が出るわけではないから。
■ ひきこもりいきのこりゲームが教えてくれること
ひきこもりいきのこりゲームは、
人生ゲームのようなすごろく形式で、
さまざまなトラブルや出来事を
仮想体験していきます。
そこでは、
「良かれと思った選択」が
思わぬ結果を招くこともあれば、
「動かなかった選択」が
結果的に家族を守ることもあります。
重要なのは、
どの選択にも
一つの正解が用意されていないことです。
だからこそ、
ゲームの中では笑いが生まれます。
「うわ、最悪!」
「でも、これって現実でもありそう」
そんなやりとりの中で、
参加者は
出来事を少し引いた目で見ることができるようになります。
■ 笑ったあとに生まれる、対話の時間
ゲームが終わったあと、
自然と対話が始まります。
「あの場面、うちに似てた」
「私はああいうとき、すぐ動いちゃうな」
「手を出さない方がよかったのかも」
これは、
最初から話し合おうとしても
なかなか生まれない対話です。
仮想体験を通したからこそ、
感情がほぐれ、
本音が出てくる。
親自身も、
「自分がどれだけ背負ってきたか」に
気づくことがあります。
■ 親が一人で抱えなくていい理由
ひきこもりの問題は、
親だけで抱えるには重すぎます。
だからこそ、
親・本人・第三者が
それぞれの役割に立つことが大切です。
ファシリテーターは、
親に代わって決断する人ではありません。
親が答えを抱え込まなくてもいい場を
一緒につくる人です。
■ 最後に
手放すことは、
無責任になることではありません。
むしろ、
親としての役割を
一段深いところで引き受けることです。
「信じる」という言葉は、
簡単そうで、とても難しい。
でも、
信じるためには、
一人で頑張らないことが大切です。
◆ 支援について知りたい方へ
ひきこもりいきのこりゲームを使った支援や、
それを担うファシリテーターについては、
こちらからご覧いただけます。
▶ ファシリテーター養成講座 第1期(PEATIX)
https://hikikomoriikinokori.peatix.com/
また、
「親としてどう関わればいいのか分からない」
「この不安を誰かに聞いてほしい」
そんなときは、無料・匿名で利用できる
AI相談員ひなたもあります。
▶ AI相談員ひなた
https://chatgpt.com/g/g-68ef56bfa76c8191ac378416e0249e21-fu-gui-sitaishi-menoyi-bu
手放すことは、信じることの始まりかもしれません。
あなたが頑張りすぎないように、ひなたはここで待っています

