― 支援が止まるとき、本当に起きていること ―
大人のひきこもり支援に関わっていると、
多くの支援者が、ある地点で同じ感覚にぶつかります。
「これだけ関わっているのに、何も変わらない」
「支援が止まってしまっている気がする」
「自分の関わり方が間違っているのではないか」
訪問を重ね、話を聞き、提案もしている。
家族とも連携し、制度や資源も整理している。
それでも本人の状況は動かない。
このとき、支援者の多くは
「もっと関わらなければ」
「もう一段、踏み込む必要があるのでは」
と考え始めます。
けれど、大人のひきこもり支援において、
この判断が、かえって状況を硬直させてしまうことは
決して少なくありません。
■ 支援が止まって見えるとき、本人の中では何が起きているのか
大人のひきこもり状態にある人の多くは、
すでに長い時間、失敗や否定、比較、挫折を
積み重ねてきています。
・頑張ってもうまくいかなかった経験
・期待に応えられなかった記憶
・「普通になれない自分」への自己否定
・人と関わるほど傷ついてきた過去
その結果、本人の中には
「これ以上傷つかないための防御」 が
強く働くようになります。
外から見ると、
何もしていない
怠けている
考えていない
止まっている
ように見えるかもしれません。
しかし実際には、
本人は「止まっている」のではなく、
必死に守っている 状態であることが多いのです。
■ 支援者の善意が、負荷になる瞬間
支援者は善意で関わります。
本人の将来を思い、生活を思い、
「このままではいけない」と感じるのは自然なことです。
けれど、大人のひきこもり支援では、
次のようなものが重なるほど、
本人の防御は強まっていきます。
・期待
・正論
・提案
・選択肢
・将来の話
・「できることからやってみよう」という言葉
これらはすべて、
「前に進ませるための善意」 です。
しかし本人の側からすると、
それは「前に出ろ」という圧力として
感じられてしまうことがあります。
結果として、
言葉数が減る
表情が固まる
連絡が途絶える
支援を拒否する
という反応が起きます。
この状態を、
「意欲がない」「拒否している」と捉えてしまうと、
支援はさらにすれ違っていきます。
■ ひきこもりいきのこりゲームが扱っているもの
ひきこもりいきのこりゲームが扱っているのは、
「どう動かすか」ではありません。
扱っているのは、
この人が、これからの人生を生き延びるための土台です。
・自分の状態を把握できるか
・危険を避ける判断ができるか
・助けを求める選択肢を持てるか
・失敗しても立て直せるか
これらが整っていない状態で
就労や自立を急げば、
再び大きな失敗体験を重ねることになります。
ゲームの中では、
「何も起きないターン」
「進まない選択」
「遠回りに見える判断」
が、意図的に組み込まれています。
それは、
止まること自体に意味がある
という構造を、体験として理解するためです。
■ 支援とは「動かすこと」ではなく「壊さないこと」
大人のひきこもり支援において、
もっとも重要なのは
「何をするか」よりも
「何をしないか」 です。
・先回りして答えを出さない
・本人のペースを奪わない
・変化を急がせない
・支援者の不安を解消するために介入しない
これらは、
一見すると「何もしていない支援」に見えるかもしれません。
しかし実際には、
これ以上壊さないための、非常に能動的な関わりです。
この判断は、
マニュアルや知識だけでは身につきません。
だからこそ、
支援者自身が
迷い、揺れ、立ち止まる体験をする場が
必要になります。
■ ファシリテーターという役割
ひきこもりいきのこりゲームの
ファシリテーターは、
答えを持つ人ではありません。
本人の人生に
「正解」を渡す人でもありません。
考え続けられる場を守る人
それがファシリテーターの役割です。
この役割を引き受けることは、
簡単でも、華やかでもありません。
それでも、
この役割を担える人が増えることが、
大人のひきこもり支援の土台を
確実に支えていくと、私たちは考えています。
◆ 次の一歩
もし今、
「支援が止まっている気がする」
「自分の関わり方に迷っている」
そんな感覚があるなら、
それはあなたが、この支援に本気で向き合っている証拠です。
ひきこもりいきのこりゲーム
ファシリテーター養成講座 第1期では、
支援者自身が
迷い・立ち止まり・答えを出さない体験を通して、
支援の在り方を深めていきます。
▶ ファシリテーター養成講座 第1期(PEATIX)
https://hikikomoriikinokori.peatix.com/
また、
支援に関わる中で生まれる迷いや問いは、
一人で抱える必要はありません。
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