感情は、いつも味方してくれるわけではない

――感情が味方にならない“条件”――

「感情を大切にしましょう」
「気持ちに寄り添いましょう」

そう言われることは多いけれど、
実は、感情が邪魔をする場面もあります。

特に、
一歩を踏み出そうとするとき。
やらなくてもいいことを、
なぜかやってしまうとき。

そのとき、
感情は必ずしも、
あなたを助けてくれる存在ではありません。


動けないとき、感情は何をしているか

何かを変えようとした瞬間、
頭の中に、こんな声が浮かびます。

・失敗したらどうしよう
・うまくいかなかったら、どう思われるだろう
・ダメな親だと思われるんじゃないか
・これをやったら、少しは安心できるんじゃないか

これらはすべて、
事実ではありません。

まだ起きていないこと。
確認しようのないこと。
想像の中で膨らんだ「仮の未来」です。

けれど感情は、
それを現実の危険のように感じさせます。

だから、
体が止まる。
言葉が出なくなる。
あるいは逆に、
余計なことをしてしまう。


「やらなくてもいいこと」をしてしまう理由

本当は、
今は何もしなくていいと分かっている。

本当は、
待ったほうがいいと知っている。

それでも、
・何かを買ってきてしまう
・声をかけてしまう
・先回りして準備してしまう

その背景にあるのは、
「やりたいから」ではなく、
不安を消したいからです。

感情は、
不安を抱え続けるのが苦手です。

だから、
何か行動を起こして、
「動いている自分」に酔わせようとする。

その瞬間だけ、
少し安心できるからです。


感情は、あなたを正当化する

ここが、一番見えにくいところです。

感情はときどき、
「正しそうな理由」をくっつけてきます。

・これは子どものため
・心配だから仕方ない
・放っておくほうが冷たい

でも、
少し立ち止まって見てみると、
その行動で一番楽になっているのは、
誰でしょうか。

もしかしたら、
子どもではなく、
自分自身かもしれない。

感情は、
「やりたい」「やりたくない」
という短絡的な衝動を、
もっともらしい理由で包みます。

そして、
それを正当化します。


もしかしたら、感情に酔っているのかもしれない

少し厳しい言い方に聞こえるかもしれませんが、
とても大事な視点です。

感情が激しく動いているとき、
人は、
「考えているつもり」
「向き合っているつもり」
になりやすい。

でも実際には、
同じ不安を、
同じ形で、
何度もなぞっているだけ
ということがあります。

不安に振り回されている状態を、
「ちゃんと考えている」と
勘違いしてしまう。

それが、
一歩を止める正体です。


感情を信じすぎない、という選択

ここで大事なのは、
感情を否定することではありません。

感情は、
あなたの一部です。

でも、
感情に判断を任せない
という選択はできます。

・今、感情は何を怖がっているか
・それは事実か、想像か
・感情に従った結果、何が起きてきたか

この問いを挟むだけで、
行動は変わります。

感情を抑え込むのではなく、
一歩引いて眺める。

それだけで、
「やらなくてもいいこと」を
減らすことができます。


最後に

感情は、
いつもあなたを助けてくれるわけではありません。

ときには、
あなたの足を止め、
余計な行動へと
引っ張っていきます。

でもそれは、
あなたが弱いからではない。

不安に耐えようとしている証拠です。

アウトリーチは、
感情に振り回される自分を
責める場所ではありません。

感情を一歩外から見て、
「今、何が起きているか」を
静かに整理する場所でありたいと考えています。

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