アウトリーチの理念
「生きててよかった」と思える時を創りだす

 
2018年の初めにこの言葉への思いをお伝えしようと思います
私が30代の頃、死んだように生きていました
なにも考えない、感じないようにして
関わりを多く持たず
(これ以上 傷つきたくない)
そう思っていました
仕事もし、家事も行い、笑顔を作ってただ生きていました
「朝が来るまで数時間生きていれば、仕事が始まって考えないで済む」

なぜ、そんな毎日を送ることになったのか
それは、また別の機会にお伝えしますが、
いわゆるPTSD(心的外傷後ストレス障害)の状態でした
過呼吸や理由もなく流れてくる涙、未来を描けない、
大きな音に異常に驚くなどが私の症状でした

支えようとしてくれる人はいましたが
理解してくれる人はいませんでした
もしかしたら、いたのかもしれませんが
その時の私には見えませんでした

けれど、ひとつのことを信じていました
いまこの状態はいつかは終わる
私の生きるエネルギーは必ず回復する

私は小さな子どもの頃から、なんでも楽しんでやっていました
苦しいこともありましたが、
苦しさ、悔しさ、悲しさ、さみしさ、劣等感など
もろもろのネガティブな感情もいっぱい感じて
楽しんで生きていました

いまの自分は本当の自分じゃない
いつかエネルギーがわいてくる
いまは暗闇のなかにいて光のかけらも見えないけれど
それでもいつかそういう時が来る

結局7年かかりましたが、
抜け出すことができました

もう、感じていいんだ
もう大丈夫・・・

そして、それから数年たって
ある方に言われました
「よく頑張って生きてきましたね」
その頃は、なぜそんなことを言われるのかわかりませんでした
わからないけれど、涙が止まりませんでした
そしてさらに数年後、別の方から
「サバイバーなんだね」と言われました
《サバイバー=生き残った人》という意味です
あぁ、私は戦場のような時期を生きながらえることができたんだ
あの頃、私は死がすぐそばにある日々を送っていたんだ
そう理解できた時に

「生きててよかった」

そう心から思えることができました

この思いは、強くて深い思いなので
一度感じることができれば
揺らぐことはありません
だから、一度でもいいんです
それが、今後の苦しみを乗り越える力になるから

エネルギーのない時は、自分で脱出する力も選択肢もありませんでした
だから周りの人が、微かな兆しを逃さないで
ほんの少しでいいから、前に進む支えになる必要があるんです

そして、「生きててよかった」と思える時を持ってもらえたら・・・

これが理念への思いです