「障害に理解はありますか?」という呪文を捨てろ。

就職を希望する当事者から、決まって出る言葉があります。 「その企業は、障害に理解はありますか?」

福祉の就労支援を利用したことがある人ほど、この言葉を「切り札」のように使います。しかし、あえてプロの視点から言わせていただきます。 「理解」という曖昧な言葉に逃げるのを、今すぐやめてください。

企業が求めているのは、あなたの病名への同情ではありません。あなたが戦力として機能するための「具体的な取扱説明書(設計図)」です。


1. 「理解」は押し問答を生み、「条件」は解決を生む

「障害への理解がある」とは、どういう状態を指すのでしょうか。 ただ優しく接してくれることですか? 失敗を笑って許してくれることですか?

「理解してください」という言葉は、相手に「どう理解するか」という判断を丸投げしているに過ぎません。それは解決に向かわない、ただの不毛な「議論」です。私たちは感情の歩み寄りではなく、以下の「実装」を求めています。

議論: 「私はこういう障害があるので、理解してください」 実装: 「私は〇〇という状況下では××という反応が出ます。その際、△△という配慮をいただければ業務を継続できます」

この「状況・反応・対策」のセットこそが、企業が安心できる設計図です。これを書面にして本人に渡すことすらしない就労支援機関は、はっきり言って職務怠慢です。


2. 「やりたい仕事、得意な仕事」は選ぶな

アウトリーチでは、就職を希望する人にこう伝えています。 「やりたいこと、得意なことは、今はやるな」

意外に思われるかもしれませんが、これには明確な理由があります。 「やりたい仕事」には、自分自身への高い期待が混じります。しかし、いざ現場に立つと、思ったほどできない自分という現実に直面し、その期待に裏切られて心が折れてしまうのです。

感情を揺さぶられる仕事は、今のあなたにはリスクでしかありません。


3. 「好きでも嫌いでもない仕事」でトレーニングする

まずは、感情を疲弊させない職場を選んでください。

  • 「やりがい」を求めない: 働くことを「お金を得るためのトレーニング」と割り切る。
  • 感情の平熱を保つ: 好きでも嫌いでもない仕事なら、期待も絶望もありません。淡々とタスクをこなすことができます。

仕事のやりがいは、働く基礎体力がついてから、後で取りに行けばいいのです。今は、自分を壊さずに「役割」を果たし続けるという実装の経験を積むフェーズです。


4. 企業が求めているのは「地雷の地図」だ

就労支援機関がヒアリングすべきは、本人の「夢」や「やりたいこと」ではありません。 **「何をやると潰れるのか」「何が絶対に無理なのか」**という、いわば「地雷の地図」を徹底的に洗い出すことです。

「ここを踏むと爆発します」という情報が明確であれば、企業はそこを避けて業務を設計(アサイン)できます。それがわかっているからこそ、企業は安心してあなたを雇えるのです。


結びに:議論を止め、設計図を渡せ

「理解があるかどうか」という答えのない議論に時間を費やすのは、もう終わりにしましょう。

必要なのは、あなたの特性を冷徹に分析し、企業が扱える「タスク」へと変換した設計図です。 アウトリーチは、あなたの「地雷」を特定し、安全に歩めるルートを共に描きます。


📢 議論は飽きた。設計図を手に取る。

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